群れをなす渡り鳥が関渡の緑の平原を飛び越える様子は本当に美しく、山の斜面からこの景色を見下ろすことは、また別の幸せである。眼を遠くに向けると、淡水河は観音山に寄り添い、山と水が平原に抱かれて関渡平原に向かっており、賑やかな台北の大都会は遥か遠くにあり、台北盆地全体が目の前に広がっている。
したがって、たとえ捷運駅から天際線までかなり距離があるとしても、道中の距離などは問題にならない。沿途、振り返ってこのような美しい景色を見ることができるのであれば、恐らくはもっと速く進みたくなるだろう。「更に上一層楼」した後、視野はきっとさらに広くなるというものだ。山の色を十分に楽しんだ後、登山口から天際線に入ると、元々広々としていた視野が突然林蔭の山道に変わり、まるで世の中から隔絶された別の世界に足を踏み入れたようだ。 小径を歩いていると、隠密な原生樹林の中には点在する石や、途切れて立っている木の幹があり、探検の野趣が湧いてくる。 そう、急な斜面ではロープを掴んで通過する必要があるが、しかし、足元にある小さな石に少し注意を払えば何の問題もない。週末には近くの住民もここに来て足腰を鍛えるそうだ。
道中の登りは2500メートル以上、さらに天際線の遊歩道には急な坂もあるので、山頂で少し休まないわけにはいかない。 広いプラットフォームに到着すると、コイサギが大きな墓園の側で休んでいるのが見えるので、私たちも横の長いベンチに座る。少し休んだ後、体力が回復してから、後半の道のりを続けることができる。
下りの遊歩道は石の階段が整備されていて、歩きやすい。もし、この時点で気持ちが高揚しているなら、途中で左に曲がるなり、右に曲がるなりすればよい。もし、腹が減っているなら、左に進むと有機農場に辿り着き、有機野菜の食事を楽しむことができる。運動して身体を鍛えた後、新鮮な野菜を食べて、身も心も爽快になることだろう。気が向いたら、気功を研究してきた園主に「元極功法」について教わり、ついでに有機野菜をいくつか買って帰るのも、きっと満足できることだろう。
右に進むと、涼亭の側の小道を行天宮の「後庭園」に向かって歩く。林蔭が茂る小道を歩くのはとても涼しい。都市ではあまり見られない、樹根が絡まる老榕樹の群れが最初に見えて、「驚為天人」となるが、もう少し歩くと、この景観がこの園内ではごく普通のことであることが分かる。どこを歩いても、古い木の姿を見ることができる。もし、少し休憩したければ、園内には多くの涼亭があるので、行天宮に参拝した後にここに寄る人も少なくない。しかし、小道のルートは複雑で入り組んでいるが、赤い壁と瓦屋根を行天宮が目標として示してくれるので、この目じるべがあれば、家に帰る道が分からなくなることはないだろう。