崇徳居は台湾の日治時代である大正14年(1925年)に建てられ、創建者は林建立です。当時、林氏一族は三重で香花(こうか)の商売を営み、大きな成功を収めていました。同族の士紳・林清敦が先嗇宮(せんしょくくう)の再建を提唱した際、再建準備委員を務めた林建立は、崇徳居の建設にも着手しました。崇徳居は600坪以上の敷地を有し、福杉(ふくさん)とTRレンガを用いて建てられた、単進双護龍(たんしんそうごりゅう)の三和院です。中央の公媽庁(こうまてい)を除き、本屋の左右にそれぞれ3部屋の主客室があり、東西の廂(護龍)にそれぞれ4部屋、計14部屋あり、これは「徳」の14画に合わせています。当時、林建立の母は仏教を篤く信仰していたため、林建立は母に静かで清らかな環境を提供するため、崇徳居を「寺院」のような雰囲気の赤い壁と赤い瓦の三和院に造り上げました。喧騒の中にあっても、静謐で穏やかな気配が漂い、かつての生活の痕跡が多くの人の記憶に温かさを届けています。屋根の軒梁の間の剪粧(せんてん)や、屋敷の水車堵(すいしゃと)は名匠・陳天乞の手によるもので、大庁は先嗇宮を建てた職人集団が手がけ、堂々として荘厳です。