忠烈祠は、中華民国のために殉職し、重大な忠誠の業績を残し、楷模とするに足る国軍官兵、警察および人民を祀る祠である。淡水区の滬尾砲台のそばに位置する忠烈祠は、古木が空をさし、緑豊かで、中法戦争の滬尾の戦いの古戦場である。日本が台湾を占領した後、昭和14年(1939年)に神社を建て、明治天皇を祀った。台湾が光復すると、老朽化し崩壊し、廃墟となった。新北市政府は民国63年にこれを取り壊し、元の基壇に沿って再建、神社の原形を保ちながらも中国宮殿様式を採用し、「新北市忠烈祠」とした。多くの抗日烈士の霊が祀られている。青々とした古い松に囲まれた祠堂は、質素ながらも清新で、その場に立つと閑雲野鶴の感がある。牌楼の下で松風を聞きながら遠く観音山を望む「烈祠松濤」は淡水八景の一つであったが、現在では松の林は虫害ですでに姿を消している。