港仔村を出たら、県道26号線の終点まで進みます。途中、サンゴ礁や奇岩が多数見られ、最後に「海神の仙境・佳楽水」に到着します。佳楽水はもともと「加落」と呼ばれ、地元の発音で「上から落ちてくる水」を意味します。佳楽水風景区内の遊歩道の終点にあるのが「山海瀑(海と山の滝)」です。その後、「平和と幸福」の意味を込めて「佳楽水」と改名されました。佳楽水風景区は墾丁国立公園の外にありますが、多様な地形と独特の岩肌で「海神の仙境」と称され、深海底の堆積岩層が段層を成して天然の地質学教室と言われています。
さらに、海の浸食によって造形された奇岩が点在し、観光客は足を止めて遊歩道に沿って詳しく観察します。佳楽水の地質景観は「深海堆積岩層」「砂岩層」「岩岸」の3タイプに大別されます。遊歩道沿いに2か所の休憩亭が設けられ、展望スポットとして機能します。「山海瀑」以外の地質はほとんど前半に集中しており、周遊に約2.5〜3時間を要します。
佳楽水は数百万年前の深海堆積岩層から成り、後に地殻変動で海面より上に隆起しました。海水浸食と地質作用が多様な景観を作り出しました。
深海堆積岩層:佳楽水は恒春半島で唯一「岩岸」が見られる場所であり、深海大陸斜面の堆積物です。火炎状・すべり構造が特徴です。
堆積岩層:約1000万年前、海底流が大量の砂を運び、砂層と泥層が交互に水平に堆積して砂岩・頁岩を形成。数十万年の圧縮と傾斜により、火炎状・すべり構造、波痕、生痕化石が生じました。
浸食地形:岩層が露頭後、海水と生物が浸食して「結核」「鉄染模様」「穿孔痕」「風化窓」などを作ります。
鉄染模様:岩面に美しい赤・赤褐色の縞模様が見られ、砂岩の節理に沿った鉄分を含む地下水が酸化し、酸化鉄が染み込んで形成されます。
風化窓:岩岸には蜂の巣状の小窓が無数に現れ、蜂窩岩とも呼ばれます。もとは小孔が海水・風で拡大したものです。
すべり構造:水中での地滑りにより砂岩層がねじれてできる特殊な地質構造です。
山海瀑:遊歩道の最後に現れるのが墾丁唯一の海へ注ぐ滝「山海瀑」です。水源は山腹の渓流で、雨季には豪快に、乾季にはしなやかに海へ注ぎます。