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東里駅は、1日の平均出入り人員が約20人と、一見すると地味な存在に見えるが、「山線で最も美しい駅」として高く評されている。ホームに一歩踏み出せば、誰もがその絶景に思わず見とれてしまう――目の前に広がるのは果てしなく続く緑の稲田だ。田んぼに包まれた小さな東里駅は、まるで風景の一部のように佇み、圧倒的な田園風景を見せる。多くの旅人が訪れる理由もここにある。旧東里駅を再利用した「東里鐵馬驛」は、玉富自行車道の出発点でもある。両側に広がる果てしない水田は、サイクリストにとって欠かせない寄り道スポットだ。ホームに残る初期の建築様式は、東里鐵馬驛の中に丁寧に保存され、花東縦谷の名物風景と融合し、自転車に乗りながらのんびりとした田園風景を楽しめる。朝日が昇り、光が稲田を照らし出すと、エメラルドグリーンの秧苗が風にそよぎ、訪れる人々に波打つ緑の波を届ける。季節が移ろいで、稲は緑から黄金色へと変わり、空気は稲の香りに包まれる。風に揺れる金色の波を自転車で通り抜けると、東里駅と東里鐵馬驛の静謐な美しさが、稲田という壮大な背景の中でそっと胸に染み込んでいく。