基隆河の渓谷景観は、瀑布以外にも、平渓駅と三貂嶺の間に河床に無数の円い甌穴(ポットホール)が見られ、地質学的には「ポットホール」と呼ばれる。甌穴の形成は、地層の構造の硬さが均一でないため、川の水が細かい砂を運んで侵食され、穴ができ、その穴内で水が渦を巻きさらに侵食され、小さな甌のような洞窟となる。甌穴は、一般的に蛇行する川の凹部で、渦が多く流れが速く、かつ河床が露出した硬い岩盤で構成されている場所に見られる。最も有名で密集して見られる甌穴群は、大華駅の下流にある「大華甌穴群」である。水流と岩層の相互作用により、ここではほぼすべてのタイプの甌穴を見ることができ、まさに自然の地理教室である。