街の廟會、媽祖の巡礼──宗教行事が行われる場所には、どこでも鑼の音や太鼓の響きが響き渡る。彰化県線西郷にある「永安鼓芸工房」では、手作りの太鼓を作る伝統工芸が受け継がれており、現在は三代目の黄正豊氏がその技を守っている。テクノロジーが進歩する中、多くの伝統工芸が機械に置き換えられ、「職人」と呼ばれる人々は減少の一途をたどっている。機械がない時代、職人たちは繰り返しの学習と試行錯誤を重ね、手仕事の価値を生み出し、ひとつひとつの完成品に手の温もりを込めてきた。この歴史ある太鼓工房は、最も伝統的な技法を今も守り続けている。牛皮を日干しし、水に漬け、剃り、成形する──すべての工程が緻密で、この古い工芸にとって欠かせないものとなっている。