新巴黎が新店区で最初の洋風パン屋だった時代は、西洋風の食事が一般的でない時代で、とてもおしゃれで人気のある店でした。 私房滷味は、評判が良かったのですが、元々は洋風パン屋から伝統的な滷味に切り替えたのは、偶然のことでした。 現在の店主である李正朝氏の父は、パンだけでなく料理も得意で、よく子供たちに滷味を作ってあげていました。そんなある日、運よくパン屋の常連客が李正朝氏の作った私房滷味を試し、大変驚いたことから、「パン屋さんなのに、滷味を買う」という新しい現象が生まれ、新巴黎の美味しい滷味が口コミで広まり、パン屋から滷味屋へと転身することになりました。 ハーブと辣が相性抜群で、滷味がさらに美味しくなったと、2代目になって李家の兄弟がパンを担当し、滷味はお嫁さんの黄素莉さんが担当することになりました。黄さんは、義父の李正朝さんについて1年以上修行し、正式に料理を担当することになりました。黄さんは、伝統的な滷味に八角などのスパイスが使われていることに疑問を持ち、当時流行っていたハーブ料理に注目し、滷味にレモングラスや馬鞭草を加えてみたところ、予想外に後味がスッキリとしたのです。その後、タイの唐辛子を加え、辣味をプラスし、最初は義父が辣味の滷味の評判を心配していましたが、客の反応はとても良く、ハーブと辣味の滷味が新巴黎の看板メニューとなりました。