新店渓の渡しは、清の光緒7年(1881年)に始まり、新店渓の上流から中流にかけて9つの渡し場があった。新店渡は現在も人力による渡しが残る唯一の渡し場である。早くは新店渡は、湾潭・直潭・塗潭・屈尺などの山岳地帯へ入る唯一の交通の要所であり、道路が次々に開通するにつれ、ここは週末のレジャー観光地へと変わっていった。渡し船に乗って湾潭へ向かう住民や観光客は、懐古の情を抱きながら、碧潭の美しい風景の中で水辺の小舟の楽しみを味わう。かつて道路が開通する前、一部の住民は渡し船を対外交通の主要な手段と頼り、渓沿いに9か所の渡し場が設けられたが、陸上交通の改善により次第に廃れた。しかし、湾潭と新店街を結ぶ「新店渡渡し場」は、渓沿いで今も人力による渡しが残る唯一の場所であり、数百年の歳月を経て、今日も新店と湾潭の間をゆったりと往復している。