忠孝敦化駅の南港線を出ると、目に飛び込んでくるのは、巨大なステンレス鋼板と花崗岩で作られた公共アート作品「樹河」で、人の歩く島に立っている。夜になると、柔らかな LCD ライトが照射され、また違った雰囲気を醸し出す。
「樹河」は、陳健と蔡淑瑩が共同で制作した作品である。樹、岩石、水は、元々は山の多い台北盆地の最も原始的な景観であった。しかし、いつしか台北の四方が山に囲まれた風景は、都市の文明的な建造物によって隠されてしまい、遠い記憶となった。壁に描かれた木、空中に浮かぶ石、源のない水は、台北がかつてそうだったことを思い出させると同時に、生活に根ざした興味深い人物のシルエットを通じて、都市生活の多様性を表現し、一般の人々と作品との距離を縮めようとしている。ライトの配列による木の影と、リアルな水のせせらぎで、忙しい都市生活に癒しをもたらす夜景を演出している。