清水巌は康定路と長沙路街の交差点にある寺院で、主な祀られる神は「清水祖師」という名称で、清水巌、清水岩、あるいは祖師廟と呼ばれることもある。清水祖師は台湾の人々から「祖師公」、「烏(黒)面祖師」、「蓬萊祖師」、「落鼻祖師」など様々な呼び名で呼ばれている。
清水祖師は北宋時代の福建省出身で、俗名は陳昭、陳應、陳昭應などと伝わっている。幼少期から仏道を学び、悟りを求めた。かつては蓬萊山の山洞に小さな精舎を築き、修行を行っていた。洞穴内の水は清冽で冷たく、精舎は「清水巌」と呼ばれるようになった。これが「清水祖師」という名称の由来である。
伝説によると、清水祖師が清水巌で修行していた際、鬼が火で祖師を焼き、顔が真っ黒になったが、祖師は全く傷つかなかった。このため「烏(黒)面祖師」と呼ばれるようになった。また「落鼻祖師」という呼び名は、祖師の鼻が災難が起こりそうな際に自動的に落下し、住民や信徒に警告するという伝説にちなむ。
清水巌の龍と虎の壁面には、磚造りの图騰が見られる。正門の対聯は「清水・蓬萊とこの地は法界を分け合う。金身・鉄面で入ったら真容が見える」という1817年の重修当時の芸術作品である。また、古い扁額としては光緒天皇が「功資拯済」という扁額を下賜したものがある。