台北堂餅行は現在まで百年を経て経営されており、老舗は1920年に創業されました。創設者の李德眉は広州街源田株式会社の師匠を継ぎ、戦後は日系オーナーの技術を引き継いで現在の所在地で店舗を開店しました。現在は第三代の李振誠が経営を担い、主に店舗のギフトボックス販売と餅殻の卸売を中心に活動しています。各中西料理店、日本料理店、ホテル、菓子店などで、台北堂の「最中餅」の姿を見ることができます。
最中餅は日本の御用点心に由来し、外殻は糯米で作った麻糬を手焼きし、紅豆餡を包み込んで作られます。最中餅は品種が豊富で、クラシックな菊花形、梅花形に加え、無油の紅豆泥やアイスクリームを包んだものもあります。第三代のオーナーは抹茶、イチゴ、ココア、雪白の4種類の餅皮を開発し、さらにアーモンドと南瓜種を組み合わせた麻糬餅皮の「穀之實」最中餅を作り、味わいをより豊かに多様化しました。
最中餅の特長は古典的な手法を守り続けている点にあります。現在も半手作業で、糯米を石杵で粉砕し、蒸した麻糬を叩き、切り分けて焼き型に入れ、炉で丁寧に焼き上げます。1970年代と80年代には数多くの菓子店が台北堂の商品を注文し、完全手作業のため供給が追いつかない状態が続きました。そのため第二代のオーナーは日本から自動回転焼台を注文し、ガスを動力として自動加熱回転式にしましたが、オーナーはやはり腰を曲げて一枚一枚麻糬を焼き型に入れ、焼き上がった後に取り出す必要がありました。台北堂に伝わる百年の手作業技術は、まさに一風変わったものであり、最中餅を最も温かみのある茶菓子へと仕上げています。