應山寺は1822年に建てられ、台湾で保存状態の良い「丁光仏寺」の一つである。丁光仏は、福建省汀州からの客家移民たちの信仰の対象であり、彼らが共同で土地を購入し、故郷の守護神である丁光古仏を祀るためにこの寺を建てた。また、汀州からの人々の集会場としても機能している。
応山寺は、雪福路に位置し、淡水駅の向かいに立っている。規模は大きくないが、形式は完全であり、多くの伝統的な寺院建築の研究者にとって必訪の場所となっている。境内には、本堂、前殿、三川殿、翼室などがあり、装飾や彫刻が精緻である。寺の前には半円形の水池があり、後ろには二つの井戸が左右に並んでいる。井戸は目のように、半円形の池は蛙の口のように見え、風水的に「蛙穴」と呼ばれている。
本堂の屋根は三脊造りであり、左右の翼室は平らでまっすぐな馬背造りとなっており、シンプルで親しみやすいスタイルを呈している。本堂の竜脊は美しい曲線を形成しており、屋根はまた、伝統的な建築における地位と階層を象徴している。屋根の陶器瓦や泥塑は希少で精緻な芸術作品である。
寺院の石彫は、クラシックでエレガントな構成が特徴である。三川殿の壁の泥塑は色彩豊かで生き生きとしており、傑作となっている。竜柱の木彫は繊細な彫刻があり、梁から吊るされた棒は、屋根の重量を各柱に分散させる役割を果たしており、伝統的な建築において重要な役割を果たしている。
寺院の配置と梁構造は、三脊殿を中心軸とし、左右の廊下と翼室が完全な閉じた中庭を形成するように配置されている。三脊殿の伝統的な木造構造は明らかに見てとることができ、2本の梁と3つの桶で構成される梁構造となっている。梁構造を理解しながら、繊細で美しい彫刻を鑑賞することもできる。寺院は現在、国定古跡に指定されている。