1936年の上海(シャンハイ)において、鞋匠(きじょう)のチン・ションホー(陳初學)という技師がおりましたが、頻繁に大官や大商人(ダイカンヤダイショウイン)の自宅を訪問し、裏庭で各家庭の奥様や令嬢たちの足を計り、手刺繡(しゅししゅ)された伝統的な花ござ履きを注文製作しておりました。手の器用さと靴への情熱により、「上海四馬路街(シマローギャ)」に「シャオ・フヤン・ユン・シェー(小花園繡花鞋莊)」と名付けた靴舗を立ち上げたのであります。
1949年に「シャオ・フヤン・ユン・シェー(小花園繡花鞋莊)」は台湾へ移り、台北市の西門町から出発し、台湾の靴製造市場へ徐々に足を広げていきました。華やかな刺繡(ししゅ)靴は遂に台湾の女性たちの足元に咲き誇ることとなりました。2016年には新旧の融合が進む大稻埕(ターティエン)へ。
創業当初から一貫して、「小花園繡花鞋莊(シャオ・フヤン・ユン・シェー)」の職人たちは、刺繡芸術と靴製造技術を自身の誇りと責任として受け継いで参りました。3/4世紀という歳月を経た今もなお、「小花園」は地元生産、手製の靴づくりに徹しています。