改修を終えた山佳駅は、新北市の市定古蹟であり、和洋折衷の建築様式と洗い石の外壁が、日治時代のクラシックな姿を再現し、思いがけずウェディングフォトの撮影スポットとしても人気を集めている。展示場には、廃材を活用した復刻ミニチュア版山佳駅、リアルな山佳鉄道模型、光復期の台鉄旅客時刻表、日治時代の鉄道観光折り畳み地図などが展示されている。
保存状態の良い日本式駅舎として、鉄道ファン必見のスポットである山佳駅は、日治時代明治34年(1901年)に「山仔脚停車場」として開業し、今年で百年以上の歴史を持つ。名称変更や駅舎の改修、縦貫鉄道の建設を経て、民国51年(1962年)に山佳駅と改称し、現在に至る。新北〜新竹間に残る唯一の第二次世界大戦前に建てられた日治期駅舎であり、台湾鉄道建築史において特別な意義を持ち、鉄道ファン・歴史ファンにとって必訪の駅である。
山佳駅の石炭輸送の歴史
かつて山佳周辺は台北主要の炭田の一つであり、開業した山佳駅は石炭輸送の要所として、採炭最盛期には年間2万5千トンもの石炭を搬出した。現在でも駅周辺には当時の炭坑跡(大豊炭鉱1号坑・2号坑)が残り、山佳の鉱業史を偲ばせる。
鉱山の歴史が終わりを迎えた後、山佳駅は旅客輸送に転じ、多くの旅人を迎えてきた。鉄道とトレッキングを楽しみたい人は、都市部に最も近いこの古蹟駅を訪れ、山佳駅の魅力を感じた後、近隣の大凍山歩道や大同山へ足を延ばし、山間の静けさを満喫してみてはいかがだろう。