「二八旺古道」は、二水鄉の戸尾村の六坪坑または名間郷の大坑附近の小径から始まり、林間の曲がりくねった道をそのまま山頂へと続く。古道の歴史は100年以上に及び、28のカーブがあることから地元では「二八旺(28カーブ)」と呼ばれている。かつては、山の農家がパイナップル、茶葉、生姜を背負って二水へ商いに出かけ、米や塩などの生活物資を買って帰る重要な道筋だった。人々が行き交ううちに自然に道ができ、彰化県と南投県の間で町外れ婚が行われる際も、花嫁を乗せた輿を最短ルートで新郎の家まで担いで運び、交流の架け橋となった。しかし、放置されたり暴風雨によって崩れたりして、次第に道は荒れ雑草に覆われた。地元観光の活性化のため、二水郷公所が積極的に整備を行い、案内標識や休憩所を設け、一周する山の景観歩道へと生まれ変わらせた。
この2kmにわたる林間の曲がりくねった道は、八卦山脈を縫うように続き、美しい風景と多様な森林景観を楽しませてくれる。道中には、仏座ふき、棘竹、エレファントイヤー、山のういき(セリ科)、金花茶、肉桂、アカシア、カラスアゲハ、キイロシジミ、コアカシジミなどの貴重な原生植物や動物が木々の間に飛び交い、鳥の種々も観察できる。また、未同定の植物や独特の柔らかい巨石壁も見られる。