台湾初の肉乾(豚の干し肉)専門テーマ文化博物館「阮的肉乾」は、肉乾を単なる伝統的中華スナックとするステレオタイプを打ち破る。遊び心あふれるクリエイティブな試食と見学可能な生産ラインを通じ、ガイド付きツアーは訪問者に肉乾の新世代と食品衛生文化への新たな注目を紹介する。パッケージ、広告、ウェブサイトを一瞥しただけで、かわいい肉乾マスコット、心を落ち着かせるコピー、グルメ向けのスマートなデザイン、楽しくトレンディな佇まいが、ブランドが伝統をどう再包装しているかを明かす。かつては休日の市場にしか並ばなかったものが、オンラインのセンセーションとなった。
台湾は世界のグルメ首都。肉乾は台湾のクラシックであり、箸は中華の食文化を体現する。阮はふたつを融合し、「箸肉乾」をイノベーション、地元の風味と文化的アイコノグラフィーを結びつける。産業構造の変化に伴い、政府支援の観光工場が隆盛を極める。三重・重信路の「阮的肉乾概念館」もその一例。もとは中食肉店として環南市場で30年以上営まれ、第二世代チームが事業をデジタル化し、ECヒットへと変貌を遂げた。実店舗からオンラインへ、そして再び物理空間へと戻り、2015年に「阮的肉乾概念館」が誕生。館内では、ブランドの売れ筋肉乾のほか、DIY製作や製造工程を観覧でき、台湾の伝統食品への理解を深められる。