平渓区は石炭採掘によって栄えたが、鉱山が操業を停止するとともに衰退した。旧台湾鉄道の社宅を改修してできた菁桐石炭博物館は、菁桐の石炭産業の発展を展示している。現在、区内のすべての鉱山は操業を止め、菁桐駅、選炭場、平渓迎賓館などの重要な産業遺産が地域の特色ある資源として残り、2001年に行政院文化建設委員会により台湾歴史風景名勝の一つに選定された。観光資源を組み合わせることで、博物館は外部からの観光客に地域の歴史・文化財・民俗を深く理解させている。さらに、地元住民は古くから郷土愛にあふれ、石炭産業や平渓線の研究に尽力し、平渓区ガイド協会、平渓魅力商店街協会、まちづくり協会などを設立。鉄道文化ワークショップ、石炭採掘体験、地質景観講座などを開催し地域文化を発信してきた。菁桐石炭博物館の設立は、地元チームの長年の成果を収集・展示する場を提供し、今後は天燈民俗、基隆川上流の生態景観、滝とクレーターの独特な地質、伝統的な染物産業なども含めて展開し、地域の特色を浮き彫りにする。平渓支線の便利な交通を通じて、地域の文化・観光産業の発展を促進する。