ディリ村の住民は、他のブヌン族と同様に、主にキリスト教やカトリックを信仰しています。いずれの宗教も村の中にその信仰の場となる集会所や聖堂が存在しています。ディリ村のカトリック教会は、既に50年あまりの歴史があります。かつては30代・40代の村民の80%以上が、大聖堂の上にある小さな小屋で修女によって出産されていたと伝えられています。この教会は台湾の風景の中でも特に興味深い記録の一つです。赤レンガで造られた大聖堂は、繁茂した芝生や木々に囲まれており、洗練され過ぎない素朴さと誠実さが自然と訪問者の足を引き留める静かな安定感を放ち、敬意と畏怖を感じさせます。その近くには薬草園があり、調味料やパイの材料として用いられるほか、修女たちは地元の女性たちに草本の香り袋づくりを指導することによって、家庭の追加収入として貢献しています。聖堂の下にはバスケットボールコートがあり、運動好きな先住民コミュニティにとって数多くのはっきりしない思春期を乗り越える親友となっています。