1906年建築の牧師の家には、周囲の緑をバックに際立つ赤レンガアーチの回廊があり、春や夏には桜の木がちりばめられた芝生の庭が広がり、冬になるとまた新たな景色を見せながら、太平の夕焼けを味わえる隠れたスポットとなっています。その赤レンガの壁、斜入屋根(きやね)、アーケード(やぐら)付きの回廊、高い玄関階段といった建築様式からは、かつてこの住居に住んでいた2人の牧師に関連する地元での通称「牧師の家」が生まれたのです。このほかに「令嬢の家」と組成される一対のベランダ風スタイルの西洋風住宅は、赤レンガと急な屋根、アーケードや高めの入り口階段などから、懐かしさを感じさせるものです。聖学院大学の正門に向かい、この大学の財産の一部として使われているこれら2つの建築物は、通常学期中にしか公開されていません。パブリックな観光資源ではないため、来訪者には騒音を控え、適切なマナーを守りながら、この2つの赤レンガの建築の百年に渡る粋な様子を感じ取っていただければ幸いです。「令嬢の家」は、牧師ウィリアム・ゴールドが西に位置するスペイン様式のマッカイ住宅の場所を選び、自身が設計・工事を監督し、著名な洋式工務の黄阿叔(ホアン・アーシュー)を招いて建設されました。この建物に使われた建材、例えばレンガは廈門(シャメン)から、杉材は台湾の赤杉で、これらの素材はすべて台湾現地で購入されました。最初の居住者はアイザベル・ゴールドさんがいましたが、地元の人々は彼女にちなんでこの家を「令嬢の家」と名づけました。