イスラム文化は遠くない存在であり、桃園市龍崗地区を訪れれば異文化の魅力を探ることができます。仏教やキリスト教とともに三大宗教と挙げられるイスラム文化は、世界人口の5分の1を占めています。台湾では現在、少なくとも9つのモスク(礼拝堂)があり、その一つである「龍崗モスク」は台湾の歴史あるモスクの少数例として知られています。入ってすぐの門楼、礼拝堂の門、そして男女別の礼拝スペースなど、イスラム文化が随所に表現されており、北部のイスラム信仰の中心的な場所となっています。
摩スリムの信仰拠点となる龍崗モスクは忠貞市場の近くに隠れている地にあります。この場所は龍崗地区と呼ばれる文化的に多様な地域であり、かつて雲南とタイ・ミャンマー国境で生活した人たちが約1950年代中盤に台湾に移住してきました。その地域の中でイスラム信者を含む住民たちは、祈りや礼拝を実践するための固定的な宗教活動場を求める一方で、台北のモスクが遠く、頻繁に参拝しにくい現狀に目を向けた結果、モスク建造の構想に至りました。回教協会の後援と募金により、民国53年にはこのイスラム信仰の基地となるモスクが建設されましたが、その後民国78年にリニューアルし、現在の姿を維持しています。こうして桃園、竹、苗などの地域でイスラムを信仰する人々にとって重要な拠点となってきました。
モスクの入り口で目につきますのは月の模様のマークです。この近隣は約400坪、室内には150人以上が収容できる礼拝スペースがあり、外観こそ装飾が控えめですが、自由を象徴する青を主張として採用しており、平和を愛するムスリムたちの特徴が表れています。礼拝堂のそばには教長室や事務室、客間、礼拝用の読経室などがあり、週ごとの最大規模の礼拝行事は金曜日に行われます。この時、男女は異なる礼拝のエリアに集まり、アッラーへの祈りを捧げます。
このように歴史的・文化的背景から、龍崗地区は独特な異国文化と料理の魅力を放っています。モスク周辺では頭巾をまとった女性や小帽をかぶり、人々と出会う機会もあります。また、ここを訪れる人々にはぜひ体験してもらいたいのは地元の雲南・ミャンマー・タイ料理です。忠貞市場を歩けばよく出会えるのはミーラン(米線)など特産料理で、他にもタイ風パイナップルサラダや手作りの破酥包(パッオ)や雲南の回転パンなど、人気の隠れたグルメスパイも楽しめます。
時間が許す限り、市場のさまざまな出店を覗くとさらに驚きがあります。雲南・ミャンマー風味の漬けた野菜や調味料が並び、珍しい南薑や水香菜、バナナの花などを扱う野菜店なども見られます。興味があれば、これらを購入して自宅で調理してみるのも、新たな美食体験として楽しめます。