泉州の鳳山寺(峰山)は県指定の歴史遺跡で、主に広沢尊王を祀る。祖廟は泉州府南安县の峰山寺にあたり、南安出身の移民が鹿港に分香して創建し、現在の寺名となった。歴史は清・道光二年(1822年)に始まり、道光十年に拡建。当初は長屋形式だったが、道路拡幅のため中庭を取り壊し、三川殿を後退させて現在の姿となった。三川殿両脇の継ぎ目の跡は今日も見学可能だ。
広沢尊王は保安尊王とも呼ばれ、郭聖王・郭王公・郭府聖王などの俗称を持ち、泉州人が最も崇敬する神格である。中庭の碑文は進士廖春波と陳懐成によって書かれ、文芸的価値が高い。左廊は北管劇団の跡地で「玉如意」の扁額と万勝寺の蘇王を祀る。三川殿前廊両脇の龍虎壁と中庭両側の字画壁は交趾陶で、典雅な風情を漂わせる。堂々たる建築と文化財に富み、見逃せない観光名所である。